協働について〜市民社会を目指して
最近、協働という言葉が使われるようになってきました。
特に、行政と市民、NPOとの関わりについて
まちづくりや公共サービス、事業のあり方のなかで
語られることが多いようです。
以下
協働について、NPOについてのまとめを少しづつしてみます。
明治維新以降の日本の社会は、官僚主導の中央集権型で社会づくりをしてきました。
今は、それを方向転換しないといけない時だと思います。
今までは
行政が主体となって公共サービスを行い、それ以外は企業が担う。
市民は、サービスの受け手でいればよいということが多かったのです。
市民の公共への関わりは
行政が用意又は支援を受けて、主に地縁のコミュニティのなかでの活動程度に限定されてきました。
そこから大きく転換して
これからの世の中は、市民が自発的に、自律して公共を担うことが大切だと思います。
行政ではできないこと、企業でもできないことを
市民が自ら行おうというのがNPOです。
暮らしの現場のニーズに沿って、必要な公共的なサービスや
本来の第3のセクターが日本でも求められているのだと思います。
行政を第1セクター、企業(民間営利セクター)を第2セクター
NPO(民間非営利セクター)というそうです。
本来の第3セクターは、ノンプロフィット(非営利)で、ボランタリー(自発的)かつ
インディペンデント(自立、独立している)という三つの条件を併せ持つ組織のことだそうです。
とすると
非営利だけれど、自発的でなく行政や企業から自立、独立していない外郭団体は
第3のセクターではないようです。
あいまいな組織ですね。
※非営利とは、利益を関係者で分配しないことです)
さて
行政は、
協働というと「NPOを支援する」ということをいいたがる、やりたがる傾向があります。
これは、確かに市民主体のまちづくり、新しい公共を創るために市民の活動が活発になる、
力のあるNPOを育てるという行政の考えかもしれませんが
現実は
行政がコントロールできるNPOを作る
財政の厳しいおり低コストで公共サービスを実現するためにNPOを利用したい
という意思を感じてしまうことがあります。
NPOは自発的、自律的な市民の活動だとすると、
行政の施策に反対するNPOもあります。行政がいつも正しいことしかしないわけではないことは
歴史を見ればわかりますよね。行政の事業について、心配して止めたほうがいいよというNPOもあるわけです。
そのNPOも行政は支援するのか、できるのかという矛盾を持ってしまいます。
行政とNPOの関係の中で
「行政はNPOを支援する」役割で「NPOは行政に支援を要請する」というのは
無理があると思うのです。
NPOの活動をするとき、協働を考えるとき知っておくと良いのは
「住民参加のはしご」(シェリーアースタイン氏)
市民の参加の形を8つに分類したものです。
1 あやつり(形式的参加。決定権はなし。)
2 セラピー(なだめる)
3 お知らせ(一歩通行の情報提供)
4 意見聴取(アンケート、ワークショップはするが、その結果が活かされる保障はない)
5 懐柔(市民の意見は重視されるが、まだ決定権は権力者がもつ)
6 パートナーシップ(市民にも責任の分配され決定に関わる)
7 委任されたパワー(市民側に決定権が大きくなる段階)
8 住民によるコントロール(プログラムや組織において市民が自治権を持っている)
さて協働を実現していく上で、行政の職員の意識改革や仕組みの改革もありますが
もうひとつ大切なことは
市民側にあります。
「お客さん市民」から「公共の担い手市民」へ
です。
この記事、続きます
※この内容は
自分自身の経験と主にNPO法人NPO研修・情報センター代表理事 世古一穂氏の本やご本人から学んだことからまとめています。
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