良い商品では売れない?~力を引き出す経営

なかの

2006年05月03日 00:55

経営コンサルタントの中野です。

「良い商品ならば売れる」と信じている方が、
まだまだ多いようです。

真面目な経営者であればよけいに、そこに集中しがちです。

1990年代までは、それでよかったかもしれません。

今、そしてこれからは、
良い商品では売れない時代です。
品質が良くて価格が適切であること、サービスがよいことだけでは、売れない。

顧客は、商品以外の物差しで判断している人が増えているからです。

「健康的で、心地よい暮らしをしたい」
「とにかく便利で、楽しく快適な暮らしをしたい」
(単に素敵な家が欲しいのではなく、
近くにショッピングセンター、おしゃれなレストラン、フィットネスクラブ、公共施設がある
お家に住みたい)といったライフスタイルに合致しているかどうかのほうが大事。

パソコンが欲しいのは、パソコンを使って、自分の映像を編集し、整理したい
といった暮らしがあってのこと。それに合うPCを求める。

単に、新しい機能がいっぱいつけて、高付加価値化を誤解しているメーカー
(※ケータイの機能って全て使っていますか?)
メーカーや問屋さんの提供する良い商品を展示するだけの小売店
ではこれからの競争に勝てないでしょう。

おそらくライフスタイルの提案はもちろんのこと、これからは
文化の創造がビジネス成功のポイントになっていく気がします。生活文化がキーポイントになりそうです。

地域のビジネスにとっても、身の回りの歴史、文化を活かしつつ、顧客の求めるニーズに合致する生活提案力をつけていくことが大切になります。
地域の力を引き出し、魅力あるまちづくりも、ビジネスにとって重要なテーマになります。

なぜ我が店に客が来なくなったか、良い品物を並べているのに。
価格が高いわけではありません、サービスが悪いわけではありません。

もっと自分の顧客のことを、自分の目と耳で感じ取り、研究する必要があります。

作り手も売る人も、考え見つめ直して、このような時流に対応する必要があると思います。

以上、私が今最も学んでいる田坂広志氏の考えから示唆を受けて考えてみました。

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