安全だが安心できない

なかの

2009年01月03日 12:35

会社や組織にとって、事業を長く続けられる、繁栄するために
大切なものは信頼性、信頼されているかどうか
だと考えている

わが社、わが店、わが商品に安心感をもってもらう、信頼してもらうことが
最重要テーマだといえる

そんな思いから
「安全。でも安心できない・・・信頼をめぐる心理学」ちくま新書 中谷内一也
という本を読んだ

偽装問題による食に対する不安感
年金問題での社会保険庁に対する不信感
など
今の日本は、安全性がそこなわれ、不信感が渦巻いているような気がする

実際には、100年前、50年前よりも
有害な物質の入ってしまう食品は少なく
犯罪も実は統計上増えているわけでなく
交通事故も減少し続けている

安全性は、間違いなく高まっている

しかし、多くの人が、安心感をもって暮らしているかというと
そうでもない

安全、でも安心できない社会だ

これは
安心感を形成しているものが
安全だけではないということを表す

安全性を高めさえすれば、安心感を持ってもらえるはずだ
と技術者や専門家は考える場合があるが、そんなことはないということだ

安心感は、そこに関わる企業や組織、行政などが信頼できるかどうかで決まる

信頼は以下の要素によって作られる
1 能力(リスクをコントロールできる専門的知識や技術がある)
2 真面目で公正にとりくんでいるかどうか
3 価値観が同じかどうか(私たちの痛みや困り事を理解しているか。共感できる人たちか)
4 そして、1-3が実際にあるかどうかではなく、そのように思えるか、見えるか
当たり前といえば当たり前の内容のようなきもするが
何をすべきか、何に気をつけるべきかがわかる

特に、どんなに力があって、真面目に取り組んでいても
あるいは、人の気持ちを理解していても

伝わらなければ、意味がないということ

伝えること、表現すること、情報公開すること
に努力を惜しんではいけないということのようだ

真面目に一生懸命やっているのだから
わかってくれるだろう
ではいけないなのだ

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